「会計事務所に転職したいけど、ブラックだったらどうしよう…」
特に未経験者にとっては、この不安が一番大きいはずです。
会計業界は繁忙期と閑散期の差が激しく、事務所ごとに労働環境の差が大きいのが特徴です。
ホワイトな事務所に入れば経験を積みながらスキルアップできますが、ブラック事務所に入ってしまうと 長時間労働・低賃金・教育不足 の三重苦で、数か月で辞めざるを得ないこともあります。
そうならないために、会計事務所長である私が 今までの経験から、未経験者が転職前にチェックすべきブラック事務所の特徴と見分け方 をまとめました。参考にしていただけたら幸いです。
ブラックな会計事務所とは?
ブラック事務所とは一言でいえば、
「従業員を大切にせず、成長させる仕組みが欠けている事務所」 のことです。
典型的な特徴は以下のとおりです。
- 過剰な残業・休日出勤が常態化している
- 給与が業界平均より極端に低い
- 所長のワンマン経営で職員が振り回される
- 未経験者を採用しても教育せず放置する
特に 教育不足+放置 は未経験者にとって致命的です。
「何も分からないのに質問もしづらく、気づけば孤立している」というのは、典型的なブラックパターンです。
ブラック会計事務所の特徴と見分け方【12選】
ブラックな会計事務所を避けるため、注意してほしいのは、次の12のことです。転職検討中の方はチェックしてください。
求人票はここをチェック!
まずは求人票を見たらここを確認しましょう。
- 残業時間の記載が曖昧
「繁忙期は多少あり」などの表現でも注意。実際は毎日深夜残業という場合も。 - みなし残業時間が40時間以上
固定残業制自体は珍しくないが、40時間超はブラック体質の可能性大。 - 給与が極端に低い
「未経験歓迎・月給18万〜20万円」などは長時間労働込みの典型。 - 求人が常に出ている
慢性的な人手不足は、離職率の高さの裏返し。
面接ではここに注意!
面接で質問しても、こんな答えが返ってきたら要注意です。
- 教育体制が不明確
「最初は簡単な仕事から」程度の回答しかない事務所は要注意。 - 所長や上司のワンマン気質
求人票と違うことを言う、機嫌で態度が変わる場合は赤信号。 - 昇給・評価基準があいまい
「頑張れば上がります」という回答は、実際は昇給なしの可能性大。
内部情報で分かるサイン
もし、転職しようとしている事務所の内部の人に話を聞く機会に恵まれたなら、下記の事柄について聞いてみましょう。企業の社員口コミサイトなどの書き込みは全て鵜呑みにするのは危険ですが、悪評があまりに多い時は気をつけましょう。
- 口コミに「残業」「人間関係」の悪評が多い
複数人が同じ不満を書いている場合は信ぴょう性が高い。 - 定着している職員がいない
勤続5年以上の職員がゼロなら要注意。 - 未経験者がすぐ辞める
「未経験歓迎」としながら、実際には誰も育っていない事務所は危険。
その他の要注意ポイント
- 男女比率や年齢が極端
スタッフの男女比や年齢に偏りが大きい事務所はありがちです。偏っているからといって雰囲気が悪いとは限りませんが、気になる場合は面接などの際に質問するなどで確認しましょう。 - 無資格者に営業させる
採用条件に含まれなかった営業を新人に押し付ける事務所がたまにあります。営業好きでない限り避けた方が無難です。
少人数事務所がブラック化しやすい理由
会計事務所業界は、大手法人よりも個人経営・少人数の事務所が圧倒的に多いのが実情です。
小規模事務所はアットホームで距離が近いという魅力もありますが、構造的に「ブラック化しやすい」面があることも否定できません。
理由はシンプルです。
- 繁忙期の負担が人数で割れない
- 教育制度が整いにくい
- 所長依存度が高い
もちろん「小規模=悪」ではありません。人間関係が良好で所長が面倒見のよい事務所はむしろホワイトです。
ただ、人数が少ないゆえに仕組みでカバーできず、結果的にブラック化しやすいという業界の構造は理解しておいた方が安心です。
未経験者がブラック事務所を避けるための工夫
- 面接で教育体制を確認する
- 未経験者の定着率を聞く
- 転職エージェントに内部事情を確認する
特に転職エージェントは、一般には出回らない「離職率」や「所内の雰囲気」まで把握している場合があります。ブラック事務所を避けたいなら、エージェント経由での情報収集は非常に有効です。

ホワイトな会計事務所の特徴
- 離職率が低い(人が辞めない=環境が良い証拠)
- 未経験者の育成実績がある(資格合格者や定着者がいる)
- 有給消化率が高い(制度だけでなく実際に使われている)
- 税理士試験の合格者を輩出している(勉強と仕事の両立を支援している証拠)
👉 税理士試験の合格者が実際に出ている事務所は、所内に勉強を支援する文化があるため、未経験者も安心してキャリアを積むことができます。
まとめ
会計事務所はホワイトとブラックの差が非常に大きい業界です。
特に未経験者にとっては、教育体制が整っていないブラック事務所に入ると早期退職に直結します。
求人票や面接でのチェック、エージェントからの情報収集を組み合わせれば、ブラックを回避することは十分可能です。
あなたの転職が成功することをお祈りしています。
