税理士事務所の面接質問 、どんなことを聞かれるのか不安ではありませんか?
「志望動機はどう答えるべきか?」
「試験勉強との両立は正直に話していい?」
「未経験でも通用する?」
そんな不安や疑問をお持ちの方も多いと思います。
👉 未経験から会計事務所に挑戦したい方
👉 科目合格を活かして転職を考えている方
👉 税理士資格を持ち、新しいキャリアを探している方
そんな方に向けてこの記事を書きました。
この記事では、実際によく聞かれる質問10選を取り上げ、質問の意図と回答のヒントを紹介します。
未経験者・科目合格者・資格保有者、それぞれに合った答え方もまとめました。
税理士事務所は、中小企業・相続・大企業・スタートアップ支援など特色がさまざま。キャリア目標に合わせた答え方を準備することが大切です。もちろん質問内容は事務所によって異なりますが、ここで紹介する質問例とポイントを押さえておけば、多くの場面で応用できます。
ぜひ最後まで読んで、自信を持って面接に臨んでください。
はじめに
私は公認会計士・税理士として大手監査法人や独立開業を経験し、現在は会計事務所を経営しています。
多くの面接をしてきた中で断言できるのは、面接は知識量よりも「人柄・学ぶ姿勢・志望度」で決まるということです。
知識は入所後に伸ばせますが、人柄や意欲は簡単に変えられません。
採用側は「長く勤めてくれるか」も重視しています。
だからこそ、面接では“完璧な知識”より“前向きな姿勢”を示すことが大切です。
では、代表的な質問を見ていきましょう。
面接でよく聞かれる質問10選【会話形式・回答例+ポイント】
質問1|志望動機を教えてください
質問の意図
事務所の特徴を理解し、自分のキャリアと結びつけて考えているかを確認したい。
- 未経験者
「現在、税理士試験に向けて学習を進めており、実務を通して知識を定着させたいと考えています。御事務所では若手のうちからお客様と接する機会があると知り、実務力を早く磨ける環境だと感じて応募いたしました。」 - 科目合格者
「相続税法に合格しており、今後は実務で経験を積みたいと考えています。御事務所が資産税分野に強い点に惹かれ、自分のキャリアと一致すると感じ志望しました。」 - 資格保有者
「これまで法人税を中心に業務を行ってきましたが、今後は地元の中小企業や個人のお客様と長期的に関われる環境を求めています。御事務所の理念に共感し、ここで力を発揮したいと思いました。」
「なぜこの事務所か」を必ず盛り込んで。事務所の特色と自分のキャリア目標を結びつけて話しましょう。
質問2|税理士試験勉強との両立はどう考えていますか?
質問の意図
税理士試験の勉強について、どのような計画を持っているか、どのような働き方をしたいかも知りたい。
- 未経験者
「仕事を最優先としながらも、平日の朝や通勤時間を有効活用し、週末には勉強会にも参加しています。その結果、簿記2級に合格し自信を深めることができました。税理士試験に向けても、繁忙期には学習時間が制限されることを踏まえ、計画的かつ継続的に取り組んでまいります。」 - 科目合格者
「朝の時間に最も集中できるため、早朝を学習時間にあてています。御事務所は比較的始業が遅いので、この時間を有効に活用できると考えています。入社後は、実務と勉強を相互に結びつけることで、より深く理解を深め、成果につなげていきたいと思います。」 - 資格保有者
「試験は一区切りしましたので、今後は実務に集中して経験を広げたいと考えています。むしろ今は実務の中で成長することを重視しています。」
勉強の進度と今後の計画を正直に伝えましょう。無理に条件を合わせず、勉強と両立できる環境を優先することが大切です。
質問3|これまでの職務経験について教えてください
質問の意図
社会人としての基礎力があるか、即戦力になるかを確認したい。
- 未経験者
「前職では営業職として多くのお客様と接し、信頼関係を築くことを大切にしてきました。相手の要望を正確に汲み取り、丁寧に対応する姿勢を評価いただくことも多く、この経験は会計事務所でも活かせると考えています。」 - 科目合格者
「学生時代に税務相談会のボランティアに参加し、数字や書類を扱う責任感を学びました。その経験を御事務所の顧客対応に活かしたいです。」 - 資格保有者
「これまで地元の税理士事務所で、個人事業主や中小企業のお客様を中心に担当してきました。その経験を踏まえ、今後は御事務所のように幅広い顧客層を持つ環境で、多様な案件に携わりながら成長していきたいと考えています。」
経験が業務にどう活かせるかを具体的に伝えると評価されやすいです。
未経験でも“他職種経験を税務に活かせる力”として変換しましょう。
質問4|転職を考えるようになったきっかけは何ですか?
質問の意図
転職理由が前向きなものであるか、また求職者の希望が事務所の業務内容と合致するかを確認する。
- 未経験者
前職では事務の経験を積みましたが、数字を扱う中で会計や税務の専門性を学びたい気持ちが強くなりました。資格取得を目指して勉強も始めており、思い切って会計業界に挑戦しようと決意しました。 - 科目合格者
前職では事務兼経理でしたが、試験勉強を続ける中で、実際に税理士事務所で働きたいと思い始めました。資格取得に向けて勉強しながら、実務でも成長できる環境に身を置きたいと思い、転職を決意しました。 - 資格保有者
これまで法人税を中心に経験してきましたが、より幅広い分野や中小企業の支援にも携わりたいと考えるようになりました。長期的なキャリアを見据え、新しい環境でさらに成長したいと考えて転職を決めました。
前職の不満からではなく、前向きな成長を求めて転職を考えていることをアピール。
また、入社を希望している事務所、会社でそれが適うことを説明しましょう。
質問5|ご自身のキャリアの目標を教えてください
質問の意図
どんな目標を持っているか、それが事務所の業務内容と一致しているか、長く勤めてくれる人材かを見たい
- 未経験者
「会計・税務の基礎を身につけることが目標です。数字を扱う仕事にやりがいを感じ、長く続けたいと思ったからです。御事務所では若手から実務に携われると伺い、成長の第一歩に最適だと考えています。」
- 科目合格者
「税理士資格の取得と法人税務の経験を積むことが目標です。試験勉強だけでは限界を感じ、実務で鍛える必要があると思いました。御事務所は法人税務に強みがあり、知識を活かしながら成長できると考えています。」 - 資格保有者
「経営者のパートナーとして幅広く相談に応えられる税理士になることが目標です。法人税を中心に経験してきましたが、資産税や相続にも挑戦したいです。御事務所では多様な案件を扱っておられ、力を伸ばせると考えています。」
自分のキャリアの方向性を明確にし、その理由を簡潔に述べたうえで、応募先の事務所で実現できると示すと説得力が増します。
「目標 → 理由 → 事務所との関連」の順番で話すと印象に残る回答ができます。
質問6|チームワークと個人作業、どちらが得意ですか?
質問の意図
税理士事務所の仕事は 個人作業 と チームワーク の両方が必要。応募者がその両面を理解し、強みをどう活かせるかを確認するための質問。
- 未経験者
「どちらも大切だと思いますが、ホテルのフロント勤務だった前職の経験からチームで協力し合う力には自信を持っています。自分の役割を意識しながら周囲をサポートできる点は、会計事務所の仕事にも活かせると考えています。」
- 科目合格者
「個人作業で集中して数字を扱うことが得意です。ただし試験勉強やグループ活動の経験から、情報を共有しながら成果を上げる大切さも実感しました。状況に応じて両方をバランスよく発揮できると思います。」
- 資格保有者
「これまでの仕事では個人で申告書を仕上げる力を磨いてきましたが、同時にチームで案件を進める中で後輩を指導する経験もありました。御事務所でも一人で責任を持ちながら、周囲と協力して成果を出したいと考えています。」
チームワークと個人作業の両方に触れつつ、自分の強みを事務所でどう活かすかを伝えること。
「どちらも大切」と前置きし、自分の得意分野を挙げながら、状況に応じて柔軟に対応できる姿勢を示すと好印象です。
質問7|忙しい時期に残業が続きますが大丈夫ですか?
質問の意図
繁忙期の残業を理解しているか確認する。
- 未経験者
「繁忙期は大変だと聞いていますが、その分多くの実務に触れられる機会でもあると感じています。学んだことを吸収できる貴重な時間だと思い、前向きに取り組みたいです。」
- 科目合格者
「残業が続く時期は試験勉強との両立に悩むと思います。ただ、以前から勉強時間は隙間時間なども利用して工夫してきたので、同じように時間を管理すれば両立は可能だと思います。忙しい時期だからこそ、集中して効率よく取り組む意識を持ちたいです。」
- 資格保有者
「これまでの職場でも繁忙期の残業はありました。確かに楽ではありませんが、その中で業務を整理し、優先順位をつけて進める力がついたと感じています。御事務所でも繁忙期を“乗り越えるだけ”ではなく、成長や改善につなげていきたいと思います。」
大変さを理解しつつ前向きに捉えるアピールを。
不安や課題に触れつつ工夫で解決する姿勢を示しましょう。
質問8|長く働けますか?
質問の意図
すぐ辞めずに腰を据えて働いてくれる人か確認したい
- 未経験者
「はい、長く働きたいです。未経験で入るからこそ短期間で辞めてしまっては意味がないと考えています。前職の営業職でも5年以上勤め、地道に経験を積んで成果を出してきました。同じように御事務所でも腰を据えて成長し、戦力になりたいと思います。」
- 科目合格者
「長期的に働きたいと考えています。税理士試験は合格まで数年単位で取り組むものなので、環境を変えずに腰を据えることが資格取得にもつながると思っています。御事務所で実務を積みながら勉強を続け、資格取得後も長く貢献できるキャリアを築きたいです。」 - 資格保有者
「長く働きたいと考えています。これから税理士業界では相続や資産税のニーズがますます高まりますが、私は前職から、この分野に強みがあります。相続に特化した御事務所で幅広い案件に携わりながら力を発揮し、長期的に事務所を盛り上げる存在になりたいと思っています。」
結論として「長く働きたい」意思を明確に伝えましょう。
その理由をキャリア目標と結びつけ、事務所への長期的貢献を示しましょう
質問9 ご自身の長所と短所を教えてください
質問の意図
人柄を知りたい。自己理解と短所をどう克服して成長につなげているかを見極めたい。
- 未経験者
「私の長所は素直さと吸収力です。前職でも新しい業務をすぐに覚え、任せてもらえるようになりました。短所は慎重すぎて時間がかかることですが、最近は優先順位を意識してスピードも大切にするよう心がけています。」 - 科目合格者
「私の長所は、学ぶことを楽しみながら計画的に努力を続けられる点です。資格勉強も数年間継続して成果を出してきましたので、入社後の学びも前向きに取り組めます。短所は集中しすぎて周囲が見えなくなることですが、報告や相談を意識し、チームでの連携を大切にしています。」。」 - 資格保有者
「私の長所は責任感の強さです。法人税務の申告業務でも期限を守り、正確性を重視して取り組んできました。短所は仕事を抱え込みやすい点ですが、最近は周囲に協力をお願いすることで、チーム全体の効率を上げるようにしています。」
長所は事務所で役立つ具体的な強みを示し、短所は正直に伝えつつ、改善努力や前向きな姿勢を添えましょう
質問10|最後に質問はありますか?
質問の意図
求職者の疑問を解消したい。熱意を見たい。
- 未経験者向け
「はい、御事務所では未経験者でもどのような形でOJTを受けられるのか伺いたいです。できるだけ早く仕事を覚えて貢献したいので、成長のステップを理解しておきたいと思っています。」 - 科目合格者向け
「ありがとうございます。御事務所で働きながら税理士試験の勉強も続けたいと考えていますが、実際に合格を目指している職員の方はどのように両立しているのか伺いたいです。」 - 資格保有者向け
「はい。御事務所では相続や資産税など幅広い分野を扱っておられると伺いました。今後そのような分野でキャリアを広げていくために、どのような案件に携わるチャンスがあるかをお聞きしたいです。」
「特にありません」は避けましょう
事務所への関心や自分の成長意欲につながる前向きな質問をしましょう。待遇面への質問はその後にしましょう
税理士転職の面接でNG回答!当てはまったら注意!

面接では一生懸命答えているつもりなのに、実は面接官にとっては“うーん…”と感じられてしまう答えがあります。
ここではつい言いがちなNG回答をまとめました。『あ、これやりそう!』と思ったら要注意です。
NG回答例
- 志望動機
❌ NG回答例
「御事務所の企業理念に共感しましたので応募しました。
👉 NG理由
抽象的で誰にでも言える内容。具体的にどの理念に共感したのかを明確に。
✅ OK回答例
「御事務所の『地域社会に根ざした専門的な税務サービスを提供する』という理念に共感しました。私は前職で地域の中小企業のサポート業務に携わった経験があり、その経験を活かして御事務所でもお客様に寄り添ったサービスを提供していきたいと考えています。」
- これまでの職務経験
❌NG回回答例
「前職では経理事務を担当していましたが、雑務が多く、成長につながりませんでした。」
👉 NG理由
前職への不満をそのまま伝える印象になるため、マイナス評価につながる。
さらに「また辞めてしまうのでは」と懸念されやすい。
✅ OK回答例
「前職では経理事務を担当し、日常的な事務処理や補助業務を通じて基本的な流れを学びました。今後はそこで身につけた基礎を活かしながら、より専門性の高い実務に挑戦していきたいと考えています。」
- 転職理由
❌NG:「前職は人間関係が合わず、環境を変えたくて転職を決めました。」
👉 NG理由
前職の人間関係を理由にすると、協調性に欠ける印象を与えてしまう。
また「同じ理由で再び辞めるのでは」と懸念されやすい。
✅ OK回答例(未経験アピール型)
「前職では経理事務を担当し、基礎を学びました。未経験の分野にも挑戦し、勉強と実務を両立しながら専門性を高めていきたいと考えています。」
- キャリア目標
❌NG:「まだ具体的な目標は決まっていません。実際に働きながら考えていきたいです。」
👉NG理由
キャリアに対する意欲や方向性が見えず、成長意欲が伝わらない。
事務所側に「長く続かないのでは」と不安を与えてしまう。
✅OK回答例
「まずは基礎を固め、数年後には相続や資産税などの専門分野にも携わりたいです。御事務所で経験を積みながら、自分の方向性を確立したいと考えています。」
- 残業対応
❌NG回答例
「残業は可能ですが、体力にあまり自信がないので心配です。
👉NG理由
体力面の不安を強調すると「業務を任せられるか」と疑問を持たれ、前向きさも伝わりません。実際に体力がないのに繕って転職すると後から辛くなるため、残業を前提としない事務所を志望する方が適切です。
✅OK回答例
「繁忙期の残業は大変だと思いますが、その分学べることも多いと考えています。効率的に取り組み、体調管理もしながらしっかり対応したいです。」
- 短所の伝え方
❌NG回答例
「短所は気が弱いところで、強く言われると萎縮してしまいます。」
👉NG理由
気の弱さをそのまま伝えると、ストレス耐性や協調性に不安を持たれてしまう。改善への努力が示されないため、マイナス印象だけが残ってしまう。
✅OK回答例 - 「短所は慎重になりすぎるところですが、最近は積極的に報告や相談を行い改善に努めています。その一方で、正確さを重視できる点は自分の強みだと考えています。」
- 逆質問
❌NG回答例
「御事務所では、昇給や給与改定はどのような仕組みになっていますか?」
👉NG理由
給与などについて聞くのが絶対NGとは言いませんが、これだけ聞くと待遇面への関心が前面に出てしまい、成長や貢献よりも条件を優先している印象になってしまいます。これを聞く前に他の質問もしましょう。
✅OK回答例
「御事務所でご活躍されている方々は、どのようなキャリアステップを歩まれているのか伺いたいです。長期的な成長のイメージを持ち、将来の目標設定につなげたいと考えています。」
面接に不安があるなら転職エージェントを活用しよう
面接での受け答えや事務所との相性に不安を感じる方は、転職エージェントを利用するのも一つの方法です。
税理士業界に詳しいキャリアアドバイザーが、履歴書・職務経歴書の添削から面接対策までサポートしてくれます。
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まとめ
転職は自分のキャリアを形づくる大切なステップです。だからこそ、無理をせず前向きな気持ちで取り組むことが大事です。
覚えておきたいポイント
- キャリア目的をしっかり決める
- その目的に合った事務所を選ぶ
- 転職先のリサーチなど準備は怠りなく
- 相手に合わせる柔軟さと正直さを両立させ、無理をしすぎない
- 面接は相互確認の場であり、不採用でも「合わなかっただけ」と前向きに捉える
- 転職はゴールではなく、キャリアのスタート
焦らず、自分に合う場所と出会うことを信じて進めば大丈夫です。あなたのキャリアを本当に輝かせてくれる転職先が、きっと待っています。
